さらに多くの編み図記号を探求
Guide 2では、もっとも基礎的な日本の編み図記号を、編み図の例とともにご紹介しました。
その際取り上げた編み図記号は、日本のパターンでも英文パターンでも頻出のかぎ針編み技法を表すものでした。
今回は、そこまで登場頻度が高いものではありませんが、表情豊かな編み地を生み出してくれる編み方を表す編み図記号を10個ピックアップします。
Guide 3 でご紹介する編み図記号は、知っておくとかぎ針編みの楽しさがさらに広がりますので、ぜひチェックしてみてください。
単体の編み図記号
前回は、もっとも基本的な単体の編み図記号を取り上げました。今回ご紹介する編み図記号も、それぞれが1つのステッチを表す単体の記号になっています。
やや応用的な編み方を表す単体の編み図記号を見ていきましょう。
やや応用的な編み方を表す単体の編み図記号を見ていきましょう。
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ねじりこま編み |
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バックこま編み |
twisted single crochet (twisted sc) | reverse single crochet (rev sc) | ||
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長編み表引き上げ編み |
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長編み裏引き上げ編み |
front post double crochet (fpdc) | back post double crochet (bpdc) | ||
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中長編み表引き上げ編み |
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中長編み裏引き上げ編み |
front post half double crochet (fphdc) | back post half double crochet (bphdc) | ||
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こま編み表引き上げ編み |
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こま編み裏引き上げ編み |
front post single crochet (fpsc) | back post single crochet (bpsc) | ||
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リング編み | ![]() |
Y字編み |
loop stitch | Y-stitch |
今回ピックアップした編み図記号の中には、登場頻度が高めのものと低めのものが混在しています。
日本のパターンでよく目にする引き上げ編みの編み図記号は解釈が少々ややこしいので、英文パターンの編み図との比較もまじえ、たっぷりと解説します。
日本のパターンでよく目にする引き上げ編みの編み図記号は解釈が少々ややこしいので、英文パターンの編み図との比較もまじえ、たっぷりと解説します。
・ねじりこま編み
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「ねじりこま編み」の編み図記号![]() |
しっかりとした編み目で、ふち編みなどに用いられることが多い「ねじりこま編み」。
針にかかっているループを一回転させてから編み地に針を入れ、そこからはこま編みの要領で編みます。編み図記号からもそのニュアンスが伝わりますね。
英文パターンでは「twisted single crochet (twisted sc)」と表記されます。

ex. この編み図は次のような解釈になります。
【作り目】
作り目のくさりを6目編む。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【3段目】
立ち上がりのくさりを1目編み(1目とみなさない)、つづけてねじりこま編みを6目編む。
【1段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【3段目】
立ち上がりのくさりを1目編み(1目とみなさない)、つづけてねじりこま編みを6目編む。
・バックこま編み
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「バックこま編み」の編み図記号![]() |
こちらもふち編みに用いられることのある「バックこま編み」。
通常、かぎ針編みは左から右に向かって編み進めていきますが、バックこま編みはその逆で、右から左に向かって編んでいきます。
一つ前の「ねじりこま編み」に似た編み目で、編み図記号もちょっと似ていますね。
英文パターンでは「reverse single crochet (rev sc)」と表記されます。

ex. この編み図は次のような解釈になります。
【作り目】
わの作り目で編みはじめる。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを1目編み(1目とみなさない)、つづけてこま編みを6目編んだら、最初のこま編みの目に針を入れて引き抜き編みをする。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを1目編み(1目とみなさない)、つづけて前段のすべての目にこま編みを2目ずつ(1周で12目)編み入れたら、最初のこま編みの目に針を入れて引き抜き編みをする。
↓
【3段目】
3段目は、編み地の表を見ながら、1~2段目と逆方向に編み進めます。
立ち上がりのくさりを1目編み(1目とみなさない)、つづけて前段のすべての目にバックこま編みを1目ずつ(1周で12目)編み入れたら、最初のバックこま編みの目に針を入れて引き抜き編みをする。
・長編み表引き上げ編み
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「長編み表引き上げ編み」の編み図記号![]() |
前回 Guide 2 では、こま編み→中長編み→長編み、の順に解説しましたが、ここから6つピックアップする「引き上げ編み」に関しては、登場頻度の高い長編みの引き上げ編みから順に解説していきます。
長編みとは目の拾い方が異なることが伝わってくる「長編み表引き上げ編み」記号。
通常の長編みは前段の目の頭の糸2本を拾って編みますが、長編み表引き上げ編みは、前段の目の足を手前に向かって拾い、そこから長編みを編みます。
実際に編むときの操作感がイメージできそうな編み図記号ですね。
英文パターンでは「front post double crochet (fpdc)」と表記されます。

ex. この編み図は次のような解釈になります。ここでは、奇数段が表を向くほうを、編み地の表として使用する前提とします。
【作り目】
作り目のくさりを6目編む。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【3段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編み表引き上げ編みを5目編む。
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長編み表引き上げ編みをするのは3段目(奇数段)なので、編み地の表を見ながら編むことになります。
長編み表引き上げ編みは、手前側に糸が張り出した模様をつくる編み方です。そのため、ここでは編み地の表側に糸が張り出した模様が生まれます。
日本の編み図は、編み地を表から見たときの「模様」を編み図記号で表しています。
編み図で3段目に長編み表引き上げ編み記号が描かれているということは、編み地を表から見たとき、3段目は手前側に糸が張り出した長編み表引き上げ編みの模様になることを意味しています。
そしてこのとき、編み地の表を見ながら編む3段目(奇数段)は、実際に編むときの操作も「長編み表引き上げ編み」になります。
引き上げ編みの編み図記号と実際の編み方とは、少々ややこしい関係にあるので、ここでは以下の点のみ、何となく頭に入れておいてください。
【編み地の「表」を見ながら編む段】
編み図記号:長編み表引き上げ編み
↓
実際の編み方:長編み表引き上げ編み
引き上げ編みは、表引き上げ編みと裏引き上げ編みが表裏一体の関係にあるので、「長編み裏引き上げ編み」の解説をしたあとで、もう一度長編み表引き上げ編みについても深掘りしていきます。
・長編み裏引き上げ編み
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「長編み裏引き上げ編み」の編み図記号![]() |
編み地のうしろ側に編み目が張り出す「長編み裏引き上げ編み」。
目を拾っているところは、こちらも前段の目の足ですが、このとき編み地のうしろから手間に向かって針を入れて足を拾い、長編みを編みます。
よって、長編み表引き上げ編みと長編み裏引き上げ編みとの違いは、前段の目の足を表から拾うか裏から拾うか、という点です。
この違いによって、編み目の雰囲気がガラっと変わります。
英文パターンでは「back post double crochet (bpdc)」と表記されます。

ex. この編み図は次のような解釈になります。ここでは、奇数段が表を向くほうを、編み地の表として使用する前提とします。
【作り目】
作り目のくさりを6目編む。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【3段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編み裏引き上げ編みを5目編む。
--------------------------
3段目(奇数段)で編む長編み裏引き上げ編みは、編み地の表を見ながら編むことになります。
長編み裏引き上げ編みをすることで、編み地のうしろ側に糸が張り出した模様が生まれます。
この編み図でも、編み地の表を見ながら引き上げ編みを編んでいるので、編み図記号と実際の編み方が合致し、以下のようになります。
【編み地の「表」を見ながら編む段】
編み図記号:長編み裏引き上げ編み
↓
実際の編み方:長編み裏引き上げ編み
ここまでで分かったことは、編み地の表を見ながら編むとき、「長編み表引き上げ編み」も「長編み裏引き上げ編み」も、編み図記号と実際の編み方が合致する、ということです。
では、それらが合致しないことがあるのでしょうか。
日本の編み図においては、答えは「はい」です。
それは、日本の編み図が、編み方ではなく「模様」を表しているからです。
「引き上げ編み」においては、編み図記号と実際の編み方が逆になることがあります。
逆になるというのは、編み図記号は「表」引き上げ編みなのに、編み方は「裏」引き上げ編みになる、または、編み図記号は「裏」引き上げ編みなのに編み方は「表」引き上げ編みになる、ということです。
「長編み表引き上げ編み」の模様は編み地を返すと「長編み裏引き上げ編み」の模様に、「長編み裏引き上げ編み」の模様も編み地を返すと「長編み表引き上げ編み」の模様に見えるため、それが可能になります。
このように、表引き上げ編みと裏引き上げ編みは表裏一体の関係にあるといえます。
では次に、編み図記号と実際の編み方が合致しないケースを見ていきましょう。

ex. この編み図は次のような解釈になります。ここでは、奇数段が表を向くほうを、編み地の表として使用する前提とします。
【作り目】
作り目のくさりを6目編む。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて、編み地を表から見たときの模様が「長編み表引き上げ編み」になるよう、実際の操作は「長編み裏引き上げ編み」を5目編む。
--------------------------
長編み表引き上げ編み記号が登場する2段目(偶数段)は、編み地の「裏」を見ながら編む段になります。
編み図は、編み地を表から見たときに、2段目の模様が手前側に糸が張り出した長編み表引き上げ編みの模様になることを指示しています。
そのような模様にするためには、編み地の裏を見ながら2段目を編む際に、「長編み裏引き上げ編み」をする必要があります。
そうすることで、編み地を表から見たとき、2段目が「長編み表引き上げ編み」の模様に見えるからです。
よって、以下のことがいえます。
【編み地の「裏」を見ながら編む段】
編み図記号:長編み表引き上げ編み
↓
実際の編み方:長編み裏引き上げ編み
このように、編み地の裏を見ながら編む段においては、引き上げ編みの編み図記号と編み方が逆になり、合致しません。
では、次の編み図を見ながら復習してみましょう。

ex. この編み図は次のような解釈になります。ここでは、奇数段が表を向くほうを、編み地の表として使用する前提とします。
【作り目】
作り目のくさりを6目編む。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて、編み地を表から見たときの模様が「長編み表引き上げ編み」になるよう、実際の操作は「長編み裏引き上げ編み」を5目編む。
↓
【3段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて、長編み裏引き上げ編みを5目編む。
--------------------------
2段目(偶数段)は、編み地の裏を見ながら編むので次のようになります。
【編み地の「裏」を見ながら編む段】
編み図記号:長編み表引き上げ編み
↓
実際の編み方:長編み裏引き上げ編み
3段目(奇数段)は、編み地の表を見ながら編むので次のようになります。
実際の編み方:長編み裏引き上げ編み
ここまでで分かったことは、編み地の表を見ながら編むとき、「長編み表引き上げ編み」も「長編み裏引き上げ編み」も、編み図記号と実際の編み方が合致する、ということです。
では、それらが合致しないことがあるのでしょうか。
日本の編み図においては、答えは「はい」です。
それは、日本の編み図が、編み方ではなく「模様」を表しているからです。
「引き上げ編み」においては、編み図記号と実際の編み方が逆になることがあります。
逆になるというのは、編み図記号は「表」引き上げ編みなのに、編み方は「裏」引き上げ編みになる、または、編み図記号は「裏」引き上げ編みなのに編み方は「表」引き上げ編みになる、ということです。
「長編み表引き上げ編み」の模様は編み地を返すと「長編み裏引き上げ編み」の模様に、「長編み裏引き上げ編み」の模様も編み地を返すと「長編み表引き上げ編み」の模様に見えるため、それが可能になります。
このように、表引き上げ編みと裏引き上げ編みは表裏一体の関係にあるといえます。
では次に、編み図記号と実際の編み方が合致しないケースを見ていきましょう。

ex. この編み図は次のような解釈になります。ここでは、奇数段が表を向くほうを、編み地の表として使用する前提とします。
【作り目】
作り目のくさりを6目編む。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて、編み地を表から見たときの模様が「長編み表引き上げ編み」になるよう、実際の操作は「長編み裏引き上げ編み」を5目編む。
--------------------------
長編み表引き上げ編み記号が登場する2段目(偶数段)は、編み地の「裏」を見ながら編む段になります。
編み図は、編み地を表から見たときに、2段目の模様が手前側に糸が張り出した長編み表引き上げ編みの模様になることを指示しています。
そのような模様にするためには、編み地の裏を見ながら2段目を編む際に、「長編み裏引き上げ編み」をする必要があります。
そうすることで、編み地を表から見たとき、2段目が「長編み表引き上げ編み」の模様に見えるからです。
よって、以下のことがいえます。
【編み地の「裏」を見ながら編む段】
編み図記号:長編み表引き上げ編み
↓
実際の編み方:長編み裏引き上げ編み
このように、編み地の裏を見ながら編む段においては、引き上げ編みの編み図記号と編み方が逆になり、合致しません。
では、次の編み図を見ながら復習してみましょう。

ex. この編み図は次のような解釈になります。ここでは、奇数段が表を向くほうを、編み地の表として使用する前提とします。
【作り目】
作り目のくさりを6目編む。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて、編み地を表から見たときの模様が「長編み表引き上げ編み」になるよう、実際の操作は「長編み裏引き上げ編み」を5目編む。
↓
【3段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて、長編み裏引き上げ編みを5目編む。
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2段目(偶数段)は、編み地の裏を見ながら編むので次のようになります。
【編み地の「裏」を見ながら編む段】
編み図記号:長編み表引き上げ編み
↓
実際の編み方:長編み裏引き上げ編み
3段目(奇数段)は、編み地の表を見ながら編むので次のようになります。
【編み地の「表」を見ながら編む段】
編み図記号:長編み裏引き上げ編み
↓
実際の編み方:長編み裏引き上げ編み
要するに、編み地の表を見ながら編むときは編み図記号のまま編めばよくて、裏を見ながら編むときには編み図記号と編み方が逆になる、ということです。
そのため、日本の編み図において、引き上げ編み記号が「往復編み」の編み地に用いられているときは、編み地の「裏」を見ながら編む際に注意しなくてはいけません。
また、英文パターンに添えられている編み図ではこの点について解釈が異なる、ということも要注意です。
英文パターンに添えられている編み図は、編み地の模様ではなく「編み方」を示しています。
そのため、編み地の裏を見ながら編む際であっても、記号と編み方が逆になることはありません。
編み方が長編み表引き上げ編みであれば記号も長編み表引き上げ編み、編み方が長編み裏引き上げであれば記号も長編み裏引き上げ編みになります。
日英比較で混乱したときは、日本の編み図は、編み地を表から見たときの「模様」を表し、英文パターンの編み図は実際の「編み方」を表している、という点に立ち戻ってみてください。
ここまで、「長編み表引き上げ編み」と「長編み裏引き上げ編み」について長く解説してきました。
日本の編み図における引き上げ編み記号の使われ方は、次以降の「中長編み」や「こま編み」の引き上げ編みでも同じことがいえます。
「長編み」の引き上げ編みに準じて、読み解いていってください。
・中長編み表引き上げ編み
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「中長編み表引き上げ編み」の編み図記号![]() |
長編み表引き上げ編みと同じ要領で前段の目を拾って、そこから中長編みを編む「中長編み表引き上げ編み」。
長編みほど目の高さが出ないため、厚みのボリュームが感じられる編み目になります。
英文パターンでは「front post half double crochet (fphdc)」と表記されます。
編み図の見方は、長編み表引き上げ編みと同じルールになります。
以下の例で見ていきましょう。

ex. この編み図は次のような解釈になります。ここでは、奇数段が表を向くほうを、編み地の表として使用する前提とします。
【作り目】
作り目のくさりを6目編む。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【3段目】
立ち上がりのくさりを2目編み(中長編み1目とみなす)、つづけて中長編み表引き上げ編みを5目編む。
--------------------------
3段目(奇数段)で、編み地の表を見ながら中長編み表引き上げ編みをするため、実際の操作も「中長編み表引き上げ編み」となる例でした。
それに対して以下の編み図は、中長編み表引き上げ編み記号が、裏を見ながら編む2段目(偶数段)に使われているため、実際の操作は「中長編み裏引き上げ編み」となります。

・中長編み裏引き上げ編み
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「中長編み裏引き上げ編み」の編み図記号![]() |
こちらも長編み裏引き上げ編みと同じ要領で前段の目を拾って、そこから中長編みを編む「中長編み裏引き上げ編み」。
長編みほど目の高さが出ないため、厚みのボリュームが感じられる編み目になります。
英文パターンでは「back post half double crochet (bphdc)」と表記されます。
編み図の見方は、長編み裏引き上げ編みと同じルールになります。
以下の例で見ていきましょう。

ex. この編み図は次のような解釈になります。ここでは、奇数段が表を向くほうを、編み地の表として使用する前提とします。
【作り目】
作り目のくさりを6目編む。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【3段目】
立ち上がりのくさりを2目編み(中長編み1目とみなす)、つづけて中長編み裏引き上げ編みを5目編む。
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3段目(奇数段)で、編み地の表を見ながら中長編み裏引き上げ編みをするため、実際の操作も「中長編み裏引き上げ編み」となります。
それに対し、以下の編み図の中長編み裏引き上げ編み記号は、2段目(偶数段)で編み地の裏を見ながら編むため、実際の操作は「中長編み表引き上げ編み」となります。

・こま編み表引き上げ編み
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「こま編み表引き上げ編み」の編み図記号![]() |
長編み表引き上げ編みと同じ要領で前段の目を拾って、そこからこま編みを編む「こま編み表引き上げ編み」。
この編み方は、あまり見かけないかもしれませんが、模様編みの一部として用いると面白い表情を生み出すことができます。
英文パターンでは「front post single crochet (fpsc)」と表記されます。
編み図の見方は、長編み表引き上げ編みと同じルールになります。
以下の例で見ていきましょう。

ex. この編み図は次のような解釈になります。ここでは、奇数段が表を向くほうを、編み地の表として使用する前提とします。
【作り目】
作り目のくさりを6目編む。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを5目編む。
↓
【3段目】
立ち上がりのくさりを1目編み(1目とみなさない)、つづけてこま編み表引き上げ編みを6目編む。
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3段目(奇数段)で、編み地の表を見ながらこま編み表引き上げ編みをするため、実際の操作も「こま編み表引き上げ編み」となります。
それに対し、以下の編み図のこま編み表引き上げ編み記号は、2段目(偶数段)で裏を見ながら編むため、実際の操作は「こま編み裏引き上げ編み」となります。

・こま編み裏引き上げ編み
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「こま編み裏引き上げ編み」の編み図記号![]() |
長編み裏引き上げ編みと同じ要領で前段の目を拾って、そこからこま編みを編む「こま編み裏引き上げ編み」。
この編み方はめったに見かけないかもしれませんが、どこかで出会うことがあったら、この解説を思い出していただければと思います。
英文パターンでは「back post single crochet (bpsc)」と表記されます。
編み図の見方は、長編み裏引き上げ編みと同じルールになります。
以下の例は、こま編み裏引き上げ編み記号が3段目(奇数段)にあるため、編み地の表を見ながら編むことになり、実際の操作も「こま編み裏引き上げ編み」となります。

それに対し、以下の編み図では、こま編み裏引き上げ編み記号が2段目(偶数段)にあるため、裏を見ながら編むことになり、実際の操作は「こま編み表引き上げ編み」をすることになります。

・リング編み
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「リング編み」の編み図記号![]() |
毛糸のループが編み目のうしろ側に作られる「リング編み」。
編み図記号にも、ループのようなU字の囲みがついています。
編むときの要領はほぼこま編みで、毛糸の扱いだけが少し異なります。
こま編みの記号がU字の中に描かれているため、編み方がイメージしやすい記号ですね。
英文パターンでは「loop stitch」と表記されます。

ex. この編み図は次のような解釈になります。ここでは、奇数段が表を向くほうを、編み地の表として使用する前提とします。
【作り目】
作り目のくさりを6目編む。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを1目編み(1目とみなさない)、つづけてこま編みを6目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを1目編み(1目とみなさない)、つづけてループ編みを5目編む。
↓
【3段目】
立ち上がりのくさりを1目編み(1目とみなさない)、つづけてこま編みを6目編む。
↓
【4段目】
立ち上がりのくさりを1目編み(1目とみなさない)、つづけてループ編みを6目編む。
--------------------------
ループは編み目のうしろ側に出ますが、ループ編みをしている段はいずれも偶数段で、編み地の裏を見ながら編む段です。
そのためループが出ているのは編み地の表となります。
ループ編みをする際は、通常ループが出ている面を編み地の表として使います。
・Y字編み
![]() |
「Y字編み」の編み図記号![]() |
長編みを3つ組み合わせたような「Y字編み」記号。
針に二回糸をかけて編み地に針を入れ、長々編みを1目編んだら、つづけてくさりを1目編み、長々編みの足の下のほうの糸を拾って長編みを編みます。
この一続きのステップがY字編みです。
日本の編み図で見かける機会はそれほど多くありませんが、英文パターンにも登場するステッチです。
英文パターンでは「Y-stitch」と表記されます。

ex. この編み図は次のような解釈になります。
【作り目】
作り目のくさりを10目編む。
↓
【1段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを9目編む。
↓
【2段目】
立ち上がりのくさりを3目編み(長編み1目とみなす)、つづけて長編みを9目編む。
↓
【3段目】
立ち上がりのくさりを5目編み、つづけてくさり1を編んだら、立ち上がりのくさりの2目めに針を入れて長編みを1目編む(Y字編み1目とみなす)。
「前段の2目を飛ばしてY字編み」を3回繰り返す。
まとめ
今回は、日本の編み図に登場する、応用的な単体の編み図記号を10種類取り上げました。
前回の基本的な編み図記号が初級だとすると、今回の編み図記号は中級のイメージです。
中級レベルの編み図記号を理解することができれば、編める作品の幅がぐっと広がります。
次回 Guide 4 では、単体の編み図記号を複数組み合わせたような、増目や減目を表す編み図記号を取り上げます。
引きつづきもう少し、日本の編み図記号を学んでいきましょう。お楽しみに!